たんぱく質は私たちの体を作ったり、エネルギーを供給したりする重要な物質です。

肝臓にはこのたんぱく質を合成する働きがあります。肝機能が低下すると、

必要な量のたんぱく質が作れなくなるわけですね。

ここでは、血清総たんぱくの基準値や、

異常値となる原因とその改善方法について詳しくお伝えします。

血清総たんぱく(TP)とは?

私たちは食事をすることで、体に必要な栄養素を補給しています。

その一つであるたんぱく質は、消化管で分解されて“アミノ酸”になります。

これが肝臓へ運ばれてたんぱく質に再合成され、血液とともに各器官・細胞などへ運ばれていきます。

血液中を運ばれるたんぱく質の大部分が“アルブミン”と“グロブリン”です。

詳しく見てみましょう。

アルブミン

アルブミンは、卵白の主成分と似た構造をもつたんぱく質の総称です。

血液中を流れるたんぱく質の約60%を占めています。様々な組織にたんぱく質を供給したり、

他の物質と結合して運搬したり、浸透圧(血液中の水分量の調整)に関わったりする働きを持っています。

アルブミンは肝臓で作られますが、

体に異常がなければ食事から摂取したたんぱく質量を反映するので、

栄養状態の指標としても用いられています。

グロブリン

グロブリンとは他のタンパク質を包みこむタンパク質の総称であり、α1-グロブリン・

α2-グロブリン・β-グロブリン・γ-グロブリンの4種類に分けられます。

このうち、α-グロブリンとβ‐グロブリンは肝臓で合成されますが、

免疫に関与しているγ-グロブリンだけは、

リンパ節や脾臓などのリンパ球(B細胞)が生産します。

γ-グロブリンの割合は多く、血液中の約20%を占めています。

その他のたんぱく質

血液中にはアルブミン、グロブリンの他にも100種類以上のたんぱく質が含まれています。

例を挙げると、血液凝固に関わるフィブリノーゲンや凝固を妨げるアンチトロンビンⅢ、

脂質を運搬するリポたんぱく、鉄の運搬をするトランスフェリン、

銅の運搬をするセルロプラスミンなどです。

血清総たんぱく

“血清総たんぱく”とは、血液中に存在する、これらのたんぱく質の濃度を表したものです。

栄養状態でも数値が変動するように、血清総たんぱくは変化しやすい数値です。

一般的に、早朝は低く、夕方は高くなりますし、夏には低く、冬には高くなる傾向も見られます。

また、採血時の姿勢も影響し、横になった状態で採血すると低くなります。

年齢による差も見られ、新生児や幼児、高齢者では若干低くなります。

 

異常値の原因

たんぱく質は体の組織を構成するだけでなく、免疫や酵素など重要な役割を持った物質です。

そのため、常に合成されたり分解されたりしており、

それを反映する総たんぱく値は変化しやすい数値ということができます。

しかし、健康であれば一定量を維持することができます。

基準値より明らかに高くなったり低くなったりする場合は、

体のどこかに異常があるとみてよいでしょう。

基準値より高くなる場合

総たんぱくが増える要因として考えられるのは、免疫に関与するγ-グロブリンの増加です。

これには、同じ種類の免疫グロブリンが増加する“単クローン性”と、

数種類の免疫グロブリンが増加する“多クローン性”が考えられます。

基準値より低くなる場合

総たんぱくが低くなる要因として考えられるのは、まず、アルブミンの低下によるものです。

アルブミンの多くは肝細胞で合成されるため、

何らかの原因によって肝機能に障害があると合成量が低下するからです。

また、栄養状態が悪い場合も低くなります。

その他、不要となったたんぱく質を体外へ排出する役割を持つ腎臓に異常がある場合や、

食事から摂取したたんぱく質を吸収する消化器系の疾患の異常なども考えられます。

 

基準値の見方

検査結果の基準値には範囲がありますが、この値は検査機関や検査方法によって多少異なります。

目安となる数値を以下の通り挙げますので、参考にしてください。

検査結果が手元にある場合は、その検査機関や方法による基準値が明記されているので、そちらを優先してください。

では、総たんぱくの基準値を見てみましょう。

表1.総たんぱくの基準値
血液検査の項目基準値
血清総たんぱく(TP)6.0~8.0 g/㎗

なお、基準値とは「医学的に正常か異常かを判断するための目安」です。

なので、基準値内である場合は、基本的に問題がないと解釈できます。

しかし、基準値を大きく上回ったり下回ったりする場合は、たんぱく質を作る機能、

または破壊する機能に異常がある可能性が考えられるので、

精密検査が必要になります。

総たんぱく値は様々な要因によって変化しやすい項目なので、

定期的な検査で数値が多少変動するのはあり得ることです。

多少の増減なら経過観察の必要はありますが、問題ありません。

なお、検査数値が8.5g/㎗以上で高たんぱく血症、

6.0g/㎗未満で低たんぱく血症と診断されます。

 

検査でわかることと疑われる病気

血清総たんぱくは、アルブミンやグロブリンなどのたんぱく量の合計です。

これらのたんぱく質の多くは肝臓で合成され、腎臓で分解されるので、異常値を示すときにまず

疑われるのは、この2つの臓器の機能障害です。

他にも、栄養状態が悪い場合や、消化器系の疾患でも異常値を示すことがあります。

表2.血清総たんぱく値から疑われる疾患
血清総たんぱく値疑われる病気
高い慢性肝炎、がん、悪性腫瘍、骨髄腫、自己免疫疾患、慢性感染症、
膠原病など
低い急性肝炎、肝硬変、急性腎炎、ネフローゼ症候群、本態性低たんぱく血症、
急性感染症、吸収不全、たんぱく漏出性胃腸症、甲状腺機能亢進症など

それでは、疑われる疾患について詳しく見てみましょう。

肝炎は肝臓が何らかの原因により炎症を起こしている状態です。慢性の場合は

血清総たんぱく値が高くなり、急性の場合は低くなります。

慢性肝炎は進行すると肝硬変になります。

肝硬変とは、肝炎によって傷ついた細胞が修復を繰り返しているうちに線維化し、

肝臓全体が硬く小さくなった状態です。

肝細胞は線維化すると本来の働きができなくなってしまうため、

肝臓としての機能も低下してしまいます。

肝硬変になると、肝機能が著しく低下してたんぱくの合成ができなくなるので、数値は低くなります。

 

また、肝炎や肝硬変にかかると、がんが発生するリスクが高まってきます。

ほかの組織では健康な状態でもがんが発生しますが、

肝臓がんは健康な肝臓から発生することはほとんどありません。

肝炎や肝硬変を経て、肝臓がんに至るケースが多いのが特徴的です。

なお、血清総たんぱく値の上昇は、肝臓がんに限らず各種がんの可能性も考えられます。

肝臓以外の疾患では、リンパ組織に異常があり、

グロブリンが増加することで血清総たんぱく値が高くなる悪性腫瘍・骨髄腫・自己免疫疾患が考えられますが、

慢性感染症などで体内の抗体を量産しているときや、

全身の血管や皮膚・筋肉・関節などに炎症がおこる膠原病などでも高値を示します。

 

逆に、血清総たんぱく数が低い場合は、

尿の中にたんぱく質が流れ出てしまうネフローゼ症候群や腎臓に炎症がおこる腎炎など、

腎臓の病気が考えられます。

また、重症の感染症や甲状腺機能亢進症などでは、

血液中のたんぱく質が大量に消費されてしまうため、血清総たんぱく値が低くなります。

 

また、消化器系の異常により、たんぱく質を十分に吸収できない場合や、過度なダイエットや

栄養状態が悪い場合も低値を示すことがあります。

この血清総たんぱく値は、血清中のすべてのたんぱく質の濃度を調べるものなので、この検査

だけで診断が行われることはありません。

 

異常がある場合は、アルブミンとグロブリンの割合を求める検査(血清たんぱく分画)を行い、

アルブミンとグロブリンの比率(A/G比)から疑われる疾患を絞り込んだり、

他の血液検査と併せて考えたりします。

その後、精密検査により、確定診断が得られます。

 

上げる・下げるにはどうすれば良いのか?

どちらの場合も、まずは原因となっている疾患を治療することが先決です。

良質なたんぱく質(魚や鳥のささみ等)を摂取すると数値が上がることもありますが、

肝硬変や腎疾患などの場合は、原因となっている臓器の状態が改善されないと、

なかなか数値も上がらないでしょう。

ダイエットや栄養不足が原因なら、バランスの良い食生活を取り戻すことで、数値も改善していきます。

慢性肝炎で数値が高い人の場合は、肝臓をゆっくり休ませることが大切です。

禁酒と食生活の改善を行い、肝機能の回復を待ちましょう。

進行してしまうと肝硬変となり、肝臓の再生能力に頼って機能を回復させることは難しくなります。

早い段階で、対策をとるようにしましょう。

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