ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりして、胃腸の調子が悪くなったり、

肝臓に負担をかけてしまったなと感じたりすることはありませんか?

そんな時に利用したいのが「ウルソ」です。

気軽に利用できる市販薬もありますが、

肝炎の治療にも効果が認められている処方薬もあります。

ここでは肝機能改善に役立つ「ウルソ」の基本と、

肝臓への効果や、利用時の注意点などについてまとめました。

 

ウルソとは?

ウルソの正式名称は「ウルソデオキシコール酸(UDCA:Ursodeoxycholic Acid)」と言い、

これを略した呼び方ですが、単に『ウルソ』というときは商品を指す場合が多くあります。

『ウルソ』は田辺三菱製薬㈱によって開発された肝臓病や胆石に用いられる薬です。

同社によると、UDCAは古くから生薬として珍重されてきた“熊の胆汁”から作られる

「熊胆(ゆうたん)」を起源として作られたものだそうです。

熊胆は“熊の胆(くまのい)”とも呼ばれ、

その薬効は東洋だけでなくロシアなどでも広く認識されていて、

胃腸を丈夫にしたり、胆汁の分泌を促進したり(利胆作用)など、

消化器系の薬として用いられてきました。

その主成分がUDCAであることを特定したのが、岡山大学です(1927年)。

そして1936年にはUDCAの化学構造式が決定され、合成に成功したのです。

同社HPでは

「発見から合成までが日本人の手によって成し遂げられた薬」として紹介されています。

現在では田辺三菱製薬㈱のほか複数の製薬会社から、

UDCAを主成分とする後発医薬品(ジェネリック医薬品)が発売されています。

 

ウルソデオキシコール酸(UDCA)について

UDCAは胆汁に含まれる物質で、その胆汁は肝臓で作られる黄色味のある透明の液体です。

胆汁の成分は、胆汁酸、リン脂質、コレステロール、胆汁色素(ビリルビン)などで

構成されていますが、約半分を胆汁酸が占めています。

この胆汁酸には次の5種類あることがわかっています。

  • コール酸(CA)
  • ケノデオキシコール酸(CDCA)
  • デオキシコール酸(DCA)
  • リトコール酸(LCA)
  • ウルソデオキシコール酸(UDCA)

でも、すべてが肝臓で生成されているわけではありません。

肝臓で作られる胆汁酸(一次胆汁酸)はCAとCDCAだけなのです。

では、残りの胆汁酸はどこで作られるのかというと、

私たちの腸に棲みついている腸内細菌が作ってくれるのです(二次胆汁酸)。

つまり、肝臓で作られたCAとCDCAが胆汁成分として腸に排出されると、

それを受け取った腸内細菌が残りの2つ(DCA、LCA)を作り出してくれるのです。

人の場合、胆汁酸の80%がCAで、DCAが15%、CDCAが2%、LCAは微量で、

今回の主役UDCAはCDCAの異性体としてわずかに存在しています。

熊の胆汁に含まれるUDCAは、

微量ではありますが私たちの体内でも合成され、利用されている物質だったんですね。

 
これら5種類の胆汁酸は、脂肪の消化・吸収を助ける働きを持っています。

実は、私たちが食事として摂った栄養素のうち、

脂肪酸や脂溶性ビタミン(AやEなど)、コレステロールなどの水に溶けない物質は、

そのままでは体に吸収することができません。

これを水に溶ける(親水といいます)ようにして吸収できる状態にするのが、

胆汁酸の役割なのです。

ただし、5種類の胆汁酸には油成分との馴染みやすさに違いがあります。

中には強い作用を持つもの(CDCA、DCAなど)もあり、

その作用ゆえに細胞膜にある油性物質にも影響して、細胞を傷つけてしまうこともありますが、

UDCAはこの危険性が最も低い、つまり肝臓や消化器官への負担が少ない胆汁酸なのです。

 

肝臓への作用と腸肝循環

肝臓で作られた胆汁は“胆のう”に蓄えられています。

私たちが食事をすると、胆のうから胆汁が押し出されて十二指腸へと流れ込み、

脂肪酸などを消化・吸収できる物質に変化させてくれます。

これらの脂質は悪者扱いされがちですが、

エネルギーになったりホルモンや細胞の材料になったりする必要不可欠な栄養素ですから、

適正量を吸収することはとても大切なことなのです。

 
ところが、肝臓に慢性的な炎症などが起こって機能が低下している場合、

肝臓で作られる胆汁酸の合成量が落ちてしまいます。

残りの胆汁酸はこれを元に腸内細菌が作るわけですから、

結果的に5種類すべての胆汁酸の量が減ってしまうことにつながります。

そこで、外部から胆汁酸の成分であるUDCAを取り込むことで、

不足分を補ってあげると肝機能をサポートすることができるのです。

 
体内に取り込まれたUDCAには、

肝臓に働きかけて胆汁酸の分泌や排出を促進する「利胆作用」があります。

これによって、脂質の消化・吸収だけでなく、

胆石を溶かしたり生じにくくしたりする効果もあります。

胆石は肝機能低下やその他の原因によって

胆汁が分泌されなかったり滞ったりした状態(胆汁うっ滞)になっている人に生じますが、

これも改善してくれるわけですね。

 
このようにUDCAには低下した肝機能をサポートする働きがありますが、

その効果が長く続くという嬉しい特徴があります。

これは、胆汁酸を生体内で再利用できる仕組み「腸肝循環」があるからです。

実は、胆汁酸は小腸で脂質を水に溶けやすい物質へ変えたあと、

95%以上が血液を介して肝臓に戻り、再利用されているのです。

このため、摂取されたUDCAも脂質の消化・吸収に働いたあと、

腸肝循環によって再利用できるのです。

さらに、UDCAの服用を続けると、胆汁の組成が変化してUDCAの割合が増えていきます。

前述の通り、UDCAは5種類の中で最も細胞に優しい胆汁酸です。

ダメージを受けて胆汁の分泌が低下している肝臓に、

更なる負担を与えにくくなる点もメリットですね。

また、UDCAを補うことで、胆汁酸の腸肝循環がスムーズになり、

その結果、他の消化機能を増進する効果も得られます。

加えて、UDCAには炎症を抑制する効果が確認されており、

肝炎などを改善させる効果も期待できます。

これらの効果が循環によって長時間持続するのはとても嬉しいですね。

 

『ウルソ』・ウルソデオキシコール酸の利用法

それでは、具体的な利用方法を見てみましょう。

市販薬

利胆薬『ウルソ』は田辺三菱製薬㈱から市販薬が出ています。

食べ過ぎ・飲み過ぎで肝臓を酷使している人、胃もたれ・消化不良に効果があります。

前述の「腸肝循環」によって体内に長く留まりますから、

1日1回の服用で効果を期待できますよ。

ただし、15歳未満は服用できません。

処方薬

同社や複数の製薬会社からUDCAを主成分とした処方薬も多数出ています。

慢性肝炎(肝臓が長期間の炎症を起こしている状態)による肝機能低下がみられる人や、

胆道(胆管・胆のう)が関わる疾患、胆汁うっ帯による疾患に対して有効な薬として

医師の診断のもと処方されます。

特に、慢性肝炎のうちC型肝炎は、

その後の経過によっては肝硬変肝臓がんへと進行する可能性もあり、軽視できない病気です。

UDCAはこのような慢性肝炎の炎症を軽減し、病状の進行を緩和する効果があるとして、

2007年にC型肝炎に対しても効能が追加されました。

C型肝炎の場合は

原因となる肝炎ウイルスを抑えるインターフェロンでの治療を中心に行いますが、

この効果が不十分なケースや副作用などで使用できないときに用いられるようになりました。

あくまでも補助的に使用するもので、治療用ではありませんが、

進行を緩和することは肝硬変などの発症を抑制することにつながります。

肝硬変は肝臓の組織が繊維状に硬くなってしまった状態で、

元の状態に戻すことはできないと言われていますから、

UDCAで炎症を軽減する意味はとても大きいですね。

 

注意点について

UDCAは漢方薬として利用されてきた古い歴史があり、安全性は高いと言われています。

肝細胞などを傷つける危険性も低いですが、

その反面、作用が弱く、長期間の服用が必要な場合もあります。

 
一般的に副作用は少ないと言われていますが、中には

  • 下痢をする
  • 悪心がある
  • 痒みがある
  • AST(GOT)値が上昇する
  • ALT(GPT)値が上昇する

などの症状がみられる人もいます。

異変が感じられる場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

 
また、コレステロール値を下げる薬とは飲み合わせが悪いので、注意が必要です。

この薬と『ウルソ』などのUDCAを含む薬を飲むと、UDCAの効果が弱まってしまいます。

肝機能が低下していてUDCAを摂ろうとする人の中には

脂肪肝」を患っている人もいると思いますが、

脂肪肝の人の多くは血中コレステロール値が高い傾向にあるため、

これを下げる薬を常用しているケースが少なくありません。

自分の薬を確認してみましょう。

また、脂肪肝に限らず、服用中の薬や治療中の病気がある人は、

必ず主治医や薬剤師に相談の上、使用してくださいね。

 
さらに、UDCAを含む薬を使用してはいけない場合もあります

特に完全胆道閉塞(胆道が完全に閉詰まっている状態)の人や劇症肝炎の人は利用できません。

気をつけましょう。

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