肝臓に良い食べ物といっても、いろいろありすぎて困ってしまうことはありませんか?

また、食べ合わせなどで肝臓へ悪影響がないかも気になりますよね。

ここでは、肝臓に良いといわれる食品について、食材別に紹介してあります。

注意事項もありますから、最後までご覧ください。

1つの食材でも、肝臓へ複数の効果が得られる“お得な食材”もありますよ!

肝臓に良い食べ物って?

「肝臓に良い食べ物」と言いますが、“肝臓に良い”とは具体的にどういうことでしょうか?

大きく分けると、

  1. 肝臓を守る
  2. 肝臓を作る(再成する)
  3. 肝臓の働きを補助する

ということになります。

つまり、これらの作用を持つ成分を含む食材が「肝臓に良い食べ物」です。

これを摂取することで、肝機能がアップしたり改善したりして、

二日酔いや疲れなどにも効果が得られるわけですね。

このうち、特にこれらの成分の含有量や効果が高い食材を一覧でみてみましょう。

表1 肝臓に良い成分とそれを含む食品
食材成分肝臓への効果
青魚アミノ酸たんぱく質や酵素の原料、肝臓の修復
DHA、EPA中性脂肪の減少、脂肪肝の改善、肝臓がんの抑制
しじみアミノ酸たんぱく質や酵素の原料、肝臓の修復
オルニチン脂肪肝の改善、二日酔い軽減
牡蠣アミノ酸たんぱく質や酵素の原料、肝臓の修復
タウリン解毒の促進
亜鉛酵素の活性化による肝機能アップ
肉類(脂肪分の少ないもの)アミノ酸たんぱく質や酵素の原料、肝臓の修復
オリーブ油オレイン酸コレステロール低下、脂肪肝の改善、脂質代謝の正常化
うんしゅうみかんβ-クリプトキサンチン抗酸化作用、ALT値やγ-GTP値の改善
しそ、ニンジン、ホウレン草、みかんなどビタミンA抗酸化作用
ナッツ類、カボチャ、大豆などビタミンE抗酸化作用
ウコンクルクミン抗酸化作用、抗炎症作用
コーヒークロロゲン酸抗酸化作用
ブロッコリー(スプラウト)グルタチオン、スルフォラファン抗酸化作用
キノコ類、海藻類、ゴボウ、大豆など食物繊維肝臓の負担軽減
乳酸菌乳酸菌生産物質脂肪肝の改善

 

ひとくちに“肝臓に良い”といっても、様々な成分が関与していることがわかりますね。

それぞれ詳しく見てみましょう。

 

肉・魚貝類

肉や魚はたんぱく質の宝庫です。

たんぱく質は分解されてアミノ酸となり、

肝臓で様々なたんぱく質や酵素に合成されるほか、

傷ついた肝臓を修復する材料となる栄養素です。

肝機能が低下している人は、

良質なたんぱく質を多く摂るように心掛けましょう。

 

しかし、肉類と一緒に摂取してしまいがちな“脂質”は肝臓に良くありません。

そこで、肉類を食べるときは部位を選ぶことが大切です。

鶏のささみ、皮を除いたムネ肉などが適しています。

豚肉や牛肉なら脂肪が多いバラ肉などは控え、

ヒレ肉やモモ肉を選ぶようにしたいですね。

 

また、魚は肉類よりも良質なたんぱく質に富んでおり、

脂肪も少ないのでたんぱく質の補給にはおすすめの食材です。

特に、イワシ、サンマ、アジなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は中性脂肪を分解し、

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、

肝臓の働きを活性化して中性脂肪を体外に排出するよう働きかけてくれます。

最近ではEPAやDHAが肝臓がんの発生を抑えることもわかってきました。

脂肪肝は進行すると肝臓がんを発症する可能性がある恐ろしい疾患です。

脂肪肝やその予備軍の人は、

メイン料理として青魚を積極的に摂り入れるといいですね。

 

さらに、できるだけ脂質の摂取を抑え、

たんぱく質やアミノ酸を補給したいという人には、

貝類がおすすめです。

貝類は脂質が少なく、体に必要なアミノ酸バランスに優れた食材です。

中でも、しじみや牡蠣がおすすめです。

しじみのアミノ酸バランスは牛肉と同等ですし、

肝機能をサポートするオルニチンも豊富です。

牡蠣に含まれるタウリンは胆汁の分泌を促進してくれますし、

亜鉛は酵素の活性を高めるので、

肝機能アップが期待できますよ。

 

食用油

肝臓は脂質の代謝にも関わっているので、

油っぽいものを摂ることは、肝臓の負担を増す結果になります。

また、摂りすぎれば脂肪肝になる可能性が格段に高まります。

普通の食事をしていれば必要量は摂取できるので、なるべくこってりしたものは避けた方が

肝臓を休ませてあげられますよ。

 

…とは言っても、調理時に油の使用は欠かせないものです。

また、ヘルシーな料理が体に良いとはわかっていても、

毎日となると味気ないですよね。

そこで、調理に使う油を肝臓に良いものに変えてみましょう。

肝臓に良い油とは“不飽和脂肪酸”のことです。

実は、青魚に含まれるEPAやDHAも“オメガ3脂肪酸”という不飽和脂肪酸の一種です。

 

油は“飽和脂肪酸”と“不飽和脂肪酸”の2種類に分けられます。

飽和脂肪酸は化学的に安定した状態になっている油なので、

分解するのが大変ですが、不飽和脂肪酸は不安定な状態なので、

分解が比較的容易です。

この不安定さが、肝臓、

すなわち健康に良いかどうかということに関わっていたんですね。

 

市販の食用油は、原料によって含まれる脂肪酸の種類や構成が異なっています。

ですから、できるだけ不飽和脂肪酸が多い油を選べば肝臓にも良いわけです。

中でもおすすめの脂肪酸は“α-リノレン酸”や“オレイン酸”です。

α-リノレン酸を多く含む油は“エゴマ油(シソ油)”、

オレイン酸を多く含む油は“ツバキ油”“オリーブ油”“コメ油”などです。

α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに変化するのでおすすめなのですが、

エゴマ油は高価なので、普段使いに適しているのはオリーブ油です。

風味が苦手な方は他の食用油とブレンドして使うのも良いでしょう。

 

不飽和脂肪酸が肝臓に良い理由は、脂質の代謝を正常化したり、

悪玉コレステロールの摂取を抑えたりして、

肝臓の負担を軽くするからです。

脂肪肝の人は油の使用量を下げつつ、種類を変えると効果的です。

毎日使う油にも、気を配ってみると良いですね。

 

植物性食材(野菜・果物・種子など)

植物性の食品は言わずと知れたヘルシーな食材ですが、

肝機能に深くかかわる栄養素が数多く含まれる点でも、

上手に摂り入れたい食NO.1です。

これらに含まれる肝機能に良い栄養素について説明しましょう。

抗酸化物質

私たちの体内では、酸化や還元といった化学反応により、

食べ物を消化したり、物質を合成したりしています。

その中でも“活性酸素”は、

侵入してきた細菌やウイルスを強力な酸化力によって殺菌したり、

化学反応を起こさせたりする大切な役割を持っています。

 

しかし、活性酸素は“諸刃の剣”です。

大量に発生すると、その強い酸化力により細胞を傷つけてしまうこともあるのです。

特に、肝臓は多くの反応が起こる器官なので、

細胞の酸化が生じやすい部位でもあります。

その結果、肝炎や肝硬変など様々な肝疾患を引き起こす原因になってしまうのです。

これを取り除いてくれるのが“抗酸化物質”です。

抗酸化物質にはいろいろな種類がありますが、

効果が顕著で摂取しやすいものをピックアップして紹介しましょう。

ビタミン類

ビタミンは体内の化学反応を促進したり、

物質の酸化を防いだりしてくれる大切な働きを持っています。

ビタミン類にはこういった抗酸化作用を持つものがたくさんあります。

例えばビタミンA、ビタミンEなどです。

表2 ビタミンA・ビタミンEが豊富な植物性食材
ビタミンAを多く含むものビタミンEを多く含むもの
しそ、モロヘイヤ、ニンジン、ホウレン草、春菊、柿、うんしゅうみかん、ドライプルーン、バナナなどアーモンド・ピーナッツなどのナッツ類、ゴマ、カボチャ、赤ピーマン、大豆、枝豆、ホウレン草、モヤシ、シソ、カブや大根の葉、茶など

 

特にビタミンAの仲間である“β-クリプトキサンチン”には、

肝機能検査の指標となるALT値やγ-GTP値を改善することが報告されています。

β-クリプトキサンチンは“うんしゅうみかん(一般的なみかん)”に多く含まれており、

同じく抗酸化作用を持つ“ビタミンC”も一緒に補給できるのでおすすめです。

なお、ビタミンAは動物性食品からもとれますが、

過剰摂取の可能性があります。

 

しかし植物由来のビタミンAは、

体内に摂り込まれてからビタミンAに合成されるため、

足りているときは過剰分としてそのまま排出されるので安心です。

肝機能が低下しているとビタミンの代謝効率が悪くなり、

不足しがちになります。

肝機能が低下しているときは、

普段よりも多めに植物性の食材を摂取するよう心がけましょう。

 

ただし、果物は果糖を多く含むため、脂肪肝の原因になることがあります。

バナナやマンゴーなど甘みの強い果物は摂り過ぎないように気を付けましょう。

なお、ビタミンCも強力な抗酸化物質で大事な栄養素ですが、

すでにC型肝炎や肝硬変などの肝疾患がある人には害となる場合がありますので、

本項では積極的な摂取を推奨していません(肝疾患のない人は摂取した方がいいです)。

併せて『注意』の項もお読みください。

その他の抗酸化物質

ビタミン以外の抗酸化物質として有名なのは、赤ワインで有名な“ポリフェノール”でしょう。

ポリフェノールは特定の分子構造を持った植物成分の総称で、5000種類以上あります。

中でも、肝機能の改善に対して効果が確認されているのは、

ウコンに含まれる“クルクミン”や、

コーヒーの“クロロゲン酸”、ブロッコリーの“グルタチオン”などです。

 

また、ブロッコリースプラウトなどに特に多く含まれる“スルフォラファン”は、

抗酸化力は持たないのですが、

抗酸化酵素の生成を促すことによって抗酸化作用を示すという特性を持っています。

他の抗酸化物質は短期的に作用するのですが、

スルフォラファンは効果が持続するため、いま注目の物質です。

食物繊維

私たちに欠かせない栄養素の一つに“炭水化物”がありますが、

これはヒトが消化できる“糖質”と、消化できない“食物繊維”に分けられます。

おもしろいことに、私たちは自力で食物繊維を消化することはできないのですが、

腸内細菌のチカラを借りて消化し、それを吸収することで、

健康を維持していることがわかっています。

食物繊維は「自分で消化はできないけれど、必要な物質」なんですね。

食物繊維は主に植物性の食品から摂取できます。

含有量の多い食材を見てみましょう。

表3 食物繊維が豊富な植物性食材
食物繊維を多く含むもの
キノコ類(しいたけ、マイタケ、きくらげなど)、海藻類(ヒジキ、ワカメ、昆布など)、ドライイチジク、ゴボウ、モロヘイヤ、オクラ、ブロッコリー、カボチャ、春菊、枝豆、大豆など

 

食物繊維は、糖質や脂質の吸収を抑え、体外に排出する働きを持っています。

糖質は脂質よりも脂肪として蓄積されやすいといわれているので、

吸収を抑えることは脂肪肝の予防にもつながりますね。

キノコ類には食物繊維が豊富なものが多いですが、

特に本シメジには肝臓に良いオルニチンが豊富に含まれています。

 

また、意外かもしれませんが、便秘の解消も肝機能の改善には重要です。

腸内の便が排出されないと腐敗菌が増え、アンモニアなどの有害物質が発生します。

これらは腸管から血液中に吸収されて体内を巡るので、

肝臓で解毒する必要が生じます。

便秘は肝臓に負担をかけることにつながるのです。

これに効果があるのが食物繊維です。

食物繊維は腸管を刺激して便の排出を促すほか、

腸内の善玉菌を増やし、腐敗菌による有害物質の発生を抑えてくれます。

便秘は万病の元ですから、改善に努めましょう。

次項「乳酸菌」も、あわせてご覧ください。

 

乳酸菌

乳酸菌は私たちの腸内に棲み、有害物質を発生させる腐敗菌の生育を抑制し、

腸内環境を整えてくれる“善玉菌”の仲間です。

腸内環境が整うことで便秘が改善され、

これが肝臓にも良い影響を与えることは前項で述べた通りですが、

乳酸菌は別の方法でも肝臓の負担を軽減してくれます。

 

この作用が確認された乳酸菌は何種類かいますが、

特におすすめの菌種をピックアップしてみました。

なお、「株」というのは同じ菌の中でも、さらに別の特徴をもつグループのことです。

例えばバラの花には色、花びらの数や形など園芸品種によって特徴が異なりますね。

大雑把に表現すると、「株」とはこの品種に相当するものです。

多くのヨーグルトメーカーが独自の菌株を保有していて、その培養によって作られた

「機能性ヨーグルト」や「健康食品」が多数販売されています。

それでは、当サイトおすすめの菌株の特徴を見てみましょう。

FC株、GCL1176株

この2つの菌株は、どちらもカスピ海ヨーグルトを作る“クレモリス菌”です。

“FC株”はフジッコ社、GCL1176株はカルピス社の市販品『カスピ海ヨーグルト』に使われています。

クレモリス菌は健康効果の高い菌で、アレルギーの改善や免疫力アップの他、

優れた整腸作用を持つことでも知られています。

これらの効果は、クレモリス菌が生産する独特の粘り成分“EPS”によるもので、

コレステロールの低減作用や肥満細胞を減少させる効果なども確認されています。

整腸作用と併せて、脂肪肝の改善や肝機能の負担を軽減できる菌です。

BC-90株

通称“アルビン菌”と呼ばれるカゼイ菌の菌株です。

この菌はヒト由来なので、多くの人と相性が良いと考えられています。

アルビン菌はその菌体成分の有効性が高く、

生きた状態で摂取するよりも殺菌した状態の方が効果的であることが確認されています。

その上、アルビン菌が殺菌されるときに産生される多糖体にグルカン、

フルクタンが含まれており、健康増進に効果があることもわかりました。

そのため、生菌タイプのヨーグルトではなく、

ドリンク剤や医療用の整腸剤などの成分として利用されることが多い菌です。

また、マウスによる実験ですが、

腫瘍の縮小、コレステロール値・中性脂肪値の低下、肝臓障害の抑制作用などが確認されています。

期待される菌株ですね。

SBT2055株

通称“ガセリ菌SP株”と呼ばれ、今回紹介した菌株の中で一番目にする機会が多い株です。

SP株は、雪印メグミルク社の「ナチュレ恵」シリーズで使われている菌だからです。

どこの店舗でも必ず置かれているヨーグルトですが、

これに含まれるSP株は非常に優れた乳酸菌です。

多くの乳酸菌が1週間以内に体外へ排出されてしまうのに対し、

SP株は90日間もとどまることが確認されています。

このため、便秘の改善に効果的な菌株です。

 

また、血中コレステロールを下げる効果も確認されておりますが、

特にすごいのが内臓脂肪を減らす効果で、

毎日100g・12週間の摂取で、お腹の内臓脂肪面積が平均6c㎡も減少したそうです。

コレステロールや内臓脂肪は脂肪肝の原因になり、

肝臓に負担を与えるので、ぜひ摂取したいですね。

乳酸菌利用時の注意

乳酸菌で効果を得るために、大切なことが1つあります。

それは「毎日続ける」ということです。

今回紹介した乳酸菌の実験データによると、個人差はありますが、

多くは摂取開始後4週間くらいから効果が出始めてきます。

薬やサプリメントのようにすぐには効果が表れませんが、

副作用もなく、特定保健用食品や医療の現場でも有効性が認められているので、

体質改善をするつもりで気長に利用してみるのが良いと思います。

 

なお、前述の食物繊維は乳酸菌のエサとなる物質です。

乳酸菌と併せて食物繊維の摂取を心がけると、相乗効果が期待できますよ。

また、ヨーグルトやドリンク剤の中にはカロリーが高いものもあります。

これらを利用するときは、一日の栄養バランスを考えて他の食材で調節することも大切です。

できるだけ無糖・無脂肪タイプを選び、

甘みを加えるときは控えめにすると良いでしょう。

 

摂取の注意

ここであげた物質は、いずれも肝機能の改善に効果が確認されているものですが、

摂取に当たっては注意があります。

それは、「肝臓に疾患を抱えている人は、摂取しない方が良いものもある」という点です。

 

例えば、肉・魚介類などはたんぱく質の供給源となりますが、反面“鉄”を多く含む食材です。

鉄は肝臓に貯蔵されますが、非常に酸化されやすく、活性酸素の発生源となります。

そのため、炎症が起きている肝細胞をさらに悪化させることにつながります。

特にC型肝炎や肝硬変などの疾患を抱えている人は、鉄が蓄積されやすい状態になっているので、

重篤な場合は食事の摂取制限がかかるほど、鉄は肝疾患にとって良くない物質なのです。

 

この鉄の吸収を促進する物質に“ビタミンC”があります。

柑橘類など果物に多く含まれるので、気を付けましょう。

肝臓に良いβ-クリプトキサンチンを多く含む“みかん”もビタミンCを多く含むので、

鉄分を多く含む食品を食べたときは避けた方が良いでしょう。

反対に、濃い緑茶に多く含まれる“タンニン”は鉄の吸収を阻害してくれるので、

積極的に摂るといいですね。

 

また、クルクミンのように服用している薬に影響を与える物質もあります。

治療中の人は医師に相談してから摂取するようにしましょう。

どんな食品でもいえることですが、偏った食生活よりもバランスを重視した方が健康に良い食事になります。

そのうえで、今回紹介した食材を上手にプラスして、食事面から肝臓をサポートするといいですね。