“体内の化学工場”とも呼ばれる肝臓は、

500種類もの化学反応を同時に行いながら日々働き続けています。

一方で、“沈黙の臓器”ともいわれ、気づかぬうちに機能が低下していることも少なくありません。

しかも、その原因を私たちが作っていることもあります。

その1つが“食事”。

毎日欠かせない食事の中に、肝臓にダメージを与えているものがあるのです。

ここでは、肝臓に悪い理由と、どうしても食べたいときの工夫について紹介しています。

お酒の歴史は古く、紀元前6000年の新石器時代にはすでにワインが作られていたといいます。

「百薬の長」として利用されてきた実績もあります。

しかし、細胞レベルで見てみるとお酒の成分“アルコール”は毒以外の何物でもありません。

私たちは“酔う”ことの代償として、毒を体内に持ち込んでいるのです。

 

…といっても、処理できる量ならさほど問題にはなりません。

しかし、過度の飲酒は肝臓にとても重い負担を与えています。

飲酒は、アルコールの分解で生じる多量の活性酸素によって、

肝細胞を破壊しているのです。

飲めば飲むほど肝臓の修復が追い付かなくなり、

脂肪肝、肝炎や肝硬変、果てはがんへと進行してしまいます。

 

お酒の害は5年先、10年先に現れます。

将来のためにも、ほどほどにしておきましょう。

ちなみに飲酒の適量は、

日本酒1合、ビール中ビン1本、ウィスキー(ダブル)1杯、ワイン2杯、焼酎1/2杯です。

 

フルーツ

ビタミン豊富でヘルシーなイメージがあるフルーツですが、

摂り過ぎると脂肪肝になる恐れがあります。

その原因は、フルーツの甘さの成分“果糖”。

果糖はエネルギー源となる大切な物質ですが、

同じくエネルギーを生み出すブドウ糖が体中で利用できるのに対し、

果糖を代謝できるのは肝臓だけです。

 

さらに、ブドウ糖は摂りすぎれば、

満腹中枢に作用して摂取を抑制できるのですが、

果糖には抑制するシステムがありません。

さらに、果糖は肝臓で代謝されますが、

その代謝産物により脂肪酸合成が促進され、

中性脂肪の合成が亢進することがわかっています。

つまり、ブドウ糖より果糖の方が太りやすいというわけですね。

 

国立健康・栄養研究所でも、

「果糖の多量摂取は中性脂肪の蓄積をまねき、コレステロールの合成を促進する」としています。

逆に、果糖の摂取を制限すると、脂肪肝が改善されるという結果も出ています。

いかに果糖が肝臓に与える影響が大きいか、わかりますね。

 

女性にはフルーツ好きな人が多く、

ヘルシーなイメージから食事代わりに利用している人も多いのですが、

摂り過ぎは要注意です。

糖質が多いフルーツは、バナナ、マンゴー、ブドウ、カキなどです。

この糖質のうち、約半分が果糖に相当しますから、注意が必要ですね。

フルーツに含まれるビタミン類は、

肝機能が低下しているときには積極的に補いたい栄養素ですが、

脂肪肝が懸念される場合はできるだけ野菜から摂るようにしましょう。

 

清涼飲料、ジュースなど

のどの渇きを潤すのに欠かせないドリンク。

外出先でもコンビニエンスストアや自動販売機など、

手軽に購入することができるので、

ペットボトルを持ち歩いている人も多いですね。

市販の飲料には、ミネラルウォーターや一部のお茶類、

カロリーゼロの飲料を除き、多かれ少なかれ糖類が使われています。

これらが肝臓に良くない理由は、フルーツと同じ“果糖”を多く含む食品だからです。

 

原材料表示を見ると、

“異性化糖”“ぶどう糖果糖液糖”“果糖ぶどう糖液糖”と書かれているものがあります。

これらは液体の糖類で、その重量の半分くらいを果糖が占めています。

フルーツと同様に脂肪肝の原因になりますので、注意しましょう。

 

菓子類

女性が大好きなスイーツ。ティータイムや食後には欠かせないですね。

小腹がすくとスナック菓子に手が伸びる…という人は、

男女問わず多いのではないでしょうか?

しかし、この甘さや油脂が肝臓には危険なんです。

ほとんどのお菓子には大量の砂糖と油が使われているからです。

 

砂糖は体内で分解されると、ブドウ糖と果糖になります。

果糖の弊害は既に述べた通りですが、

ブドウ糖も同様に体内で代謝され、

余った分は脂肪として蓄積されます。

これらの代謝を行うのは肝臓ですから、

お菓子をたくさん摂ることは肝臓の負担を増やすことになりますし、

糖から変換された脂肪は肥満や脂肪肝の原因になります。

 

また、スナック菓子に含まれる油には“トランス脂肪酸”が多く含まれます。

トランス脂肪酸は血中コレステロールを増やすことが知られており、

アメリカなどでは規制の対象になっています。

肝臓に負担をかけ脂肪肝の原因になるので、

摂りすぎに注意したい食品です。

 

どうしても甘いものが食べたいときは、

食物繊維をたっぷりとって、体への吸収を抑制するようにしましょう。

特に寝る前に摂取すると脂肪に変換されやすくなりますので、

できるだけ日中に食べる方が望ましいですね。

 

糖質・脂質の多い食事

人が「おいしい」と感じる食事には、必ず大量の糖質と脂質が含まれています。

これは動物としての飢餓状態に備えた生存本能によるもので、

エネルギーへ変換しやすい糖質と、

エネルギー効率の高い脂質を選んで食べるように、

遺伝子にプログラミングされているのです。

 

ですが、飽食の時代に生きる現代人にとって、

糖質や脂質は摂りすぎれば健康に害をなすものに変わりました。

それでも、本脳的にこれらを「おいしい」と感じることは止められないわけです。

このような食品の代表例として、“ラーメン”や“とんかつ”があげられます。

体に良くないとわかっていながら、ついつい食べてしまいますよね。

 

糖質の肝臓への悪影響は前述の通りですが、

脂質も摂りすぎると肝機能の低下につながってしまいます。

それは、肝臓が脂質の代謝に関わる器官だからです。

大量の脂質が肝臓に運び込まれると、

肝臓はフル稼働して脂質を代謝するために働き、負担となります。

加えて、過剰になった脂質は体脂肪として蓄えられので、

脂肪肝の原因になるのです。

 

また、動物性の脂質に含まれる“飽和脂肪酸”は、

肝臓にコレステロールの合成を促進させ、

不要になったコレステロールの排出を阻害する物質です。

肝臓を働かせる上に、機能を阻害することにもなります。

血中コレステロールの増加は、動脈硬化などの生活習慣病の原因にもなります。

ラーメンは糖質・脂質がたっぷりで、しかも飽和脂肪酸を多く含みます。

また、カロリーも高く、あっさり風味の醤油味で400kcal、

某チェーン店のこってり系だと約1000kcalにもなってしまいます。

 

同じくとんかつに使われる豚肉や、

お菓子・ケーキに使われる生クリームやバターにも飽和脂肪酸が

多く含まれます。砂糖もたっぷりですね。

これらの食品が肝臓に良くないのは糖質や脂質が多いからですが、

一方で、その吸収を抑制する食物繊維がほとんど含まれていないのも負担を増す原因になっています。

とんかつなどは添えられたキャベツの千切りを食べたり、

ラーメンならワカメのトッピングやサラダなどのサイドメニューを利用したりして、

食物繊維を摂るように気を付けましょう。

 

塩分

体内の塩分量は腎臓で調節しているので、

肝臓の働きとは無関係だと思うかもしれませんが、

両者は密接な関係にあります。

肝臓に炎症があって黄疸が長く続いたり、肝硬変が進行したりすると、

腎不全を引き起こし、体がむくんだり、腹水が溜まったりしてしまいます。

 

また、味付けの濃い食事は食欲を増し、食べ過ぎにつながります。

これは代謝を担う肝臓の大きな負担になってしまいます。

よって、肝機能が低下している人は、塩分の摂取量に注意が必要です。

前項でも触れた“ラーメン”や“うどん”“そば”などのつゆものは、

1杯で5g以上の塩分を摂取することになります。

 

2015年に改訂された厚生労働省による食塩相当量の目標量は男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満ですから、

1食で半分量以上摂取してしまうことになりますね。

もちろん、この目標値は健常者が対象ですから、

肝疾患がある人はこれ以下に抑えなければなりません。

重篤な場合は1日5g以下に制限されますから、

そうなる前に減塩生活にして、肝臓の負担を取り除いていきましょう。

 

鉄を多く含む食品

健康な人は積極的に摂った方が良いミネラル“鉄”ですが、

肝臓に疾患がある人は摂取に気を付けなければなりません。

鉄は肝臓で貯蔵されますが、非常に酸化されやすく(サビやすい)、

活性酸素の発生源となります。

そのため、炎症が起きている肝細胞をさらに傷つけることになります。

 

特にC型肝炎や肝硬変などの疾患を抱えている人は、鉄が蓄積されやすい状態になっています。

重篤な場合は摂取制限がかかるほど、鉄は肝疾患にとって良くない物質なのです。

このため、鉄を多く含む“赤身の肉・レバー”“しじみ・牡蠣などの貝類“ヒジキ”“大豆”“ホウレン草”

“小松菜”などを食べるときは、適量にとどめましょう。

 

また、鉄の吸収を促進する物質に“ビタミンC”があります。

ビタミンCを多く含むレモンなどは料理に添えられていることがありますが、

鉄分の多い食材と一緒に摂ることは避けましょう。

…といっても、ビタミンCは体に必要な栄養素なので、

鉄を含まない食材のときにしっかり摂ってくださいね。

反対に、濃い緑茶に多く含まれる“タンニン”は鉄の吸収を阻害してくれるので

積極的に摂るといいですね。

 

喫煙に注意

食品ではありませんが、

“喫煙”は飲酒よりも肝臓に悪い影響を与えるといわれています。

タバコに含まれるニコチンは、

肝臓が必要とする血液の流れを悪くしますし、

飲酒同様に体内にアセトアルデヒドという有毒な物質を増やし、

肝臓の負担を増大させるのです。

お酒とタバコの両方をたしなむ人は、十分な注意が必要です。

 

また、食品にはそれぞれ体に良い成分が含まれています。

いくら肝臓に良くないといっても、それらを全く摂らない偏った食生活は、

逆に健康に害を与える場合もあります。

適量を守り、バランスの摂れた食生活を目指しつつ、

肝臓の負担を軽減してあげるような食事にするのが理想的です。

ぜひ、本サイトを参考に、肝臓の負担を減らす食生活を実践してくださいね。

肝臓が気になる人はサプリケアという手も

肝臓に悪い食べ物を避けることはもちろんですが、

肝臓が気になる方は、肝臓に良い栄養素も摂取するようにしましょう。

手軽に肝臓の問題をなるべく早く解決したいなら、肝臓サプリメントがおすすめです。

 

しじみや牡蠣など肝臓への効果が期待される栄養素が凝縮されており、

食事で摂取するよりも明らかに効率的に肝機能改善をおこなうことができます。