サラダや添え物として頻繁に食卓に登場するトマト。

生野菜としてだけでなく、トマトソースやケチャップなどの調味料としても摂っていますね。

こんなに身近な野菜ですが、実は肝臓を強力にサポートする効果があるんです。

しかも食品としての摂りやすさはナンバー1と言えるでしょう。

ここでは、トマトがもつ肝臓への驚異の効果とその理由を紹介します。

 

トマトの栄養素って?

今や世界中で食されているトマトですが、そのルーツは南アメリカのアンデス山脈にあります。

現在では8,000種を超える品種があるとされ、その形や成分は品種によって異なりますが、

主な栄養素は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ナイアシンなどのビタミン類、

リコピン、カリウム、食物繊維などがあげられます。

このように豊富な栄養素を含むことから、ヨーロッパには

『トマトが赤くなると医者が青くなる』

ということわざがあるくらいです。

しかし、このことわざも科学の発展に伴って根拠があることがわかってきました。

その中には肝臓への効果を示すものも多数あります。

次項では、特に注目されている成分を中心に解説していきます。

 

肝臓とトマトの関係

肝臓によい食べ物にはシジミ、レバー、大豆などいろいろありますが、

毎日摂るのは飽きるし大変…という人も多いと思います。

その点、トマトならそのままでも料理してもOKなので、摂り続けるのが苦になりにくい、

最もお手軽な食材と言えるでしょう。

トマトに含まれる“肝臓に良い成分”は次の4つです。

  • リコピン
  • 13-oxo-oda
  • ナイアシン
  • ナゾの成分

それでは詳しく見ていきましょう

リコピン

トマトにはグリーン、黄色、ピンク、赤など様々な色味がありますが、

やはり王道と言えるのは真っ赤なトマトでしょう。

以前は『桃太郎』というピンク系の品種が市場を独占していたのですが、

トマトの有効成分“リコピン”が赤系トマトの方に多く含まれていることがわかると、

赤系トマトの人気が急上昇しました。

リコピンをたっぷり摂りたい人は、赤みの強いトマトを選ぶのがおすすめです。

リコピンの作用

さて、このリコピンは私たちの体内に様々な効果をもたらしてくれる物質です。

リコピンはトマトの色味を構成する色素「カロテノイド」の一種で、

強力な抗酸化作用をもっています。

 
抗酸化作用とは、体内で過剰に発生した有害物質“活性酸素”などを取り除く働きのことです。

抗酸化物質にはビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどがありますが、

リコピンにはそれらの中でトップクラスの抗酸化力があるのです。

その作用はβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍に相当します。

しかも、多くの抗酸化物質が活性酸素を除去すると自身も分解されてしまう中で、

リコピンは除去後も残存し、効果が持続するという特徴があります。

厳密にいうと、リコピンの分子構造は少し変わってしまうのですが、

リコピンとしての抗酸化力を維持し続けられることがわかったのです

(静岡大学・徳島大学・カゴメの研究)。

リコピンの肝臓への効果

では、このリコピンの抗酸化力が肝臓にどのようなメリットをもたらしているのでしょうか?

もともと、活性酸素は私たちの体に侵入してくる細菌などから守ったり、

酵素反応を促進させたりする大切な役割を持っています。

そして、酸素を必要とする生物の体内では、エネルギー代謝の結果、

必ず発生するものでもあります。

この消費と生成、そして不要な活性酸素を除去するバランスが狂わなければ、

活性酸素は私たちの体にとって有害なものではありません。

ところが、複雑な世の中を生きる私たちは、

多くの精神的・肉体的ストレスにさらされています。

文明が発達し、環境破壊が問題視される現代では、

排気ガス・紫外線・電磁波・放射線によるダメージも昔より大きくなっていますし、

飲酒・喫煙や社会生活により受ける精神的ストレスも増加傾向にあります。

こういったストレスによって、体内の活性酸素量は増えてしまうことがわかっています。

増えすぎた活性酸素は、その強い酸化力によって正常な細胞やDNAを傷つけてしまいます。

このため、活性酸素は細胞がガン化する原因にもなると考えられています。

 
特に肝臓は多くの働きを担っているため、細胞内でたくさんの化学反応を行っている臓器です。

したがって活性酸素が発生しやすい部位なのですが、

さらにアルコールを摂取すると解毒の過程で大量の活性酸素を発生させてしまいます。

発生部位であるがゆえに、肝臓は大きなダメージを受けやすい宿命にあると言えるでしょう。

でも、リコピンが存在すると、

その抗酸化力で肝臓が活性酸素のダメージを受ける前に除去することができます。

しかも、除去後も効果が持続するわけですから、肝臓の強力な助っ人になりますね。

肝臓を守るために積極的に摂りたい成分の1つです。

 
また、マウスの実験ではリコピンには肝臓がんの発生を抑制することが確認されており、

臨床試験では血液中のLDLコレステロールが酸化されて

動脈硬化になりやすくなるのを防ぐ働きがあることがわかっています。

13-oxo-oda

聞きなれない名前ですが、13-oxo(オキソ)-ODAは、2012年に京都大学・河田照雄教授らが

アメリカの科学誌プロスワン電子版にて発表し、大きな反響を呼んだ物質なんです。

http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2011/120210_1.htm

13-oxo-odaはリノール酸の一種で、

脂肪を燃焼させる遺伝子を活性化させる作用がある物質なのですが、

これがトマトにも含まれていることを発見し、驚くべき効果を確認したのです。

その効果とは、13-oxo-odaを肥満のマウスに与えて実験したところ、

肝臓や血液中などの中性脂肪の上昇を3割抑制したという結果が得られた、というものです。

同時に、脂肪燃焼の指標となる直腸温度が0.5度上昇したことが確認されています。

これによってトマトのダイエット効果が科学的に証明され、

トマトダイエットブームが起こりました。

スーパーマーケットの店頭からトマトやトマトジュースが消えるほどのブームになったことを

覚えている人も多いかもしれませんね。

 
肝臓には中性脂肪を作る機能がありますが、

これが増えすぎたり蓄積したりすると脂肪肝になります。

肝臓中や、肝臓から血液中に放出された中性脂肪量が抑制されていたということは、

脂肪肝の防止につながるということです。

また、同実験では血糖値も2割減少したという結果が得られていますから、

食生活に自信のない人は13-oxo-ODAの摂取を心がけたいですね。

ナイアシン

ナイアシンは、食品から摂取した糖質や脂質をエネルギーに変えるときに

非常に重要な物質です。

ナイアシンは、体内ではNAD (ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)という物質になり、

エネルギーを作る反応に必要な酵素を助ける「補酵素」として働きます。

体内で働く酵素の約2割以上がNADを必要としていると言われていますから、

利用度の高い物質であることがわかりますね。

 
たくさんの機能を持つ肝臓にはたくさんの酵素が存在し、

NADの助けを借りて反応を促進させています。

特に、飲酒によってアルコールが体内に取り込まれると、

解毒の過程で発生するアセトアルデヒドをさらに分解するためにナイアシンを必要とします。

飲酒量が多ければ多いほど、体内のナイアシンはどんどん失われるわけです。

日本人の食生活ではナイアシン不足の心配はありませんが、

アルコール依存症の場合は欠乏症が出ることがあるほどです。

アルコールを摂るときは食事からナイアシンをたっぷり補うことが大切ですね。

 
ナイアシンは肉類・魚類に多く含まれますが、脂質の摂り過ぎなども心配です。

野菜類にも含まれますが、含有量が高いのは唐辛子や切り干し大根、グリンピースなどで、

あまり日常的な野菜ではありませんね。

トマトは肉・魚類や唐辛子などに比べれば少ないですが、

摂取機会が多い野菜の中ではダントツに多く含まれています。

また、唐辛子やグリンピースを50g食べるのは難しくても、トマトなら簡単に摂れますね。

 
ナイアシンの摂取のしやすさもトマトのポイントなのですが、

アルコールの分解にはビタミンCも同時に必要です。

トマトはこれも多く含んでいますから、一石二鳥といえるでしょう。

また、ナイアシンが不足してアセトアルデヒドがなかなか分解できずにいると、

悪酔いや二日酔いの原因になります。

お酒の席ではトマトもメニューに加えておくといいですね。

ナゾの成分

「ナゾ」と表現したのは、作用を示す物質が、今のところ特定されていないからです。

決して怪しいものではありません。

このトマトに含まれる「何か」によって、

  • 飲酒時にトマトを一緒に摂ると血中アルコール濃度を低く抑えることができ、

    体内からのアルコール消失時間が早めること(臨床試験)

  • トマトの水溶性成分を摂取させた後アルコールを投与すると

    肝臓中のアルコール代謝に関連する酵素の活性を高めること(動物実験)

が確認されたのです。

つまり、トマトを食べることでアルコールの代謝がスムーズに行うことができ、

飲酒による肝臓へのダメージを軽くすることができるのと同時に、

アルコールの分解物であるアセトアルデヒドの分解も速やかに行われるため、

二日酔いや悪酔いなどの体への悪影響も軽減できることがわかったのです。

これは、アサヒグループホールディングス㈱とカゴメ㈱の共同研究で明らかにされたもので、

2012年5月の第66回日本栄養・食糧学会大会にて発表されています。

http://www.kagome.co.jp/company/news/2012/05/001371.html

どんな成分がこの効果に関与しているのか、更なる研究が待たれますね。

 

どのくらい摂取すればよいか?

トマトの肝臓へのすばらしい効果をお伝えしてきましたが、

ここで気になるのは「果たしてどのくらい摂取すればよいのか」という点でしょう。

この項では、リコピンや13-oxo-ODAなどの摂取目安量を成分ごとではなく、

トマトやトマトジュースに換算した量で効果・効能ごとに紹介していきます。

 
なお、トマトジュースで摂る場合は、

できるだけ「食塩無添加」のものを選ぶようにしましょう。

塩分の摂り過ぎは肝臓・腎臓などに悪影響をもたらします。

生のトマトを食べるときは塩分だけでなく、

使用するドレッシングの油成分にも気をつけましょう。

オリーブオイル使用のものや、コレステロールゼロタイプなどの方が体脂肪に変わりにくく、

肝臓の負担になりにくいのでおすすめです。

脂肪肝の予防・改善

脂肪肝は肝硬変・肝ガンなどの重篤な病気へ進行する可能性があるものです。

少しでも早く予防や改善に努めたいですね。

脂肪肝を防止するのに有効なトマトの成分は13-oxo-ODAが中心になりますが、

これを研究した河田教授によると

「毎食コップ1杯(約200㎖)のトマトジュースを飲むことで同様の効果が得られる」

とのことです。

毎食200㎖ですから、1日で600㎖ということになりますね。

1缶(160㎖)は約3個のトマトから作られるそうなので、

600㎖分をトマトとして食べるとすると1日約11個。

生のトマトとして必要量摂取するのは大変なので、

トマトジュースと組み合わせて摂るようにするのがおすすめです。

また、先の実験では4週間トマトを摂取させていますので、

継続的に摂り続けることもポイントですね。

抗酸化力

大量の活性酸素の危険にさらされている肝臓を守るのに有効なリコピンやビタミン類。

中でもリコピンは強力な抗酸化物質ですが、摂取には少々コツがあります。

…というのも、リコピンは水に溶けにくい脂溶性物質なのです。

ですから、オイル類と一緒に摂取すると、体内での吸収量を高めることができます。

そういう点ではドレッシングをかけたサラダや、

肉類のソースのように調理されたトマトの方がリコピンの摂取には向いています。

リコピンは熱には比較的安定な物質なので、加熱調理しても問題ありませんよ。

 
リコピンの1日の目安量はトマト2個分程度。トマトジュースなら1本弱で十分です。

ただし、トマトジュースで摂る場合は、一緒に油分を含んだ食事を摂るようにしましょう。

朝食なら野菜を油で炒めたり、

チーズなどの乳製品(無脂肪タイプは不可)を食べると良いですね。

アルコールの分解

飲酒によるアルコールの摂取は、肝臓に負担をかけることはもちろんですが、

その結果、倦怠感や疲労感をもたらします。

二日酔いにならなくても、

肝臓の機能低下は私たちの体にジワジワと影響を及ぼしてくるのです。

体内のアルコールは有害物質以外の何ものでもありません。

速やかに分解されるよう心がけましょう。

 
アルコールの分解に関与するトマトの成分は、ナイアシンと未特定の成分です。

未特定の成分についてはトマトジュース3缶(160㎖3本分)で効果が得られているので、

これを目安に飲むと良いでしょう。

ナイアシンについてはこの量を飲めば十分な量が補給できますので、問題ありませんよ。

肝臓改善ならサプリメントもおすすめ!

肝臓には肝臓への一定の効果があるものの、

毎日食事に取り入れるのは現実的には大変です。

特に仕事で忙しいひとなどは中々難しいかと思います。

もし肝臓への数値が心配、最近お酒に弱くなった、倦怠感が残るなど、

手軽に肝臓の問題をなるべく早く解決したいなら、肝臓サプリメントがおすすめです。

 

しじみや牡蠣など肝臓への効果が期待される栄養素が凝縮されており、

食事で摂取するよりも明らかに効率的に肝機能改善をおこなうことができます。