栄養ドリンク剤の成分として有名な“タウリン”。

体に良いイメージはあるものの実際のところ、

何に効いているのか知らないことも多いですね。

タウリンには様々な効果がありますが、ここでは肝臓に対する効果をクローズアップして、

その理由や摂取方法など、わかりやすくお伝えします。

肝臓が疲れている方、必見です!

タウリンとは?

タウリンは硫黄を含む分子で、体内で重要な働きをしています。

アミノ酸の一種として紹介されることもありますが、

これは間違い!正確に言うと、アミノ酸から合成される物質の1つです。

タウリンは多くの動物に必要とされる物質で、

ネコなど一部の動物は合成する能力を持たないため、

エサから摂取する必要がありますが、

ヒトは自分の体内でアミノ酸のシステインから合成することができます。

 

タウリンが多く存在する場所は、

心臓、筋肉、肝臓、腎臓、肺、脳、網膜、卵巣、精子などで、

私たちの身体や細胞を正常な状態に戻す作用“ホメオスタシス”をもっています。

例えば、消化に重要な胆汁酸と結合(抱合)して消化作用を助けるほか、

神経伝達物質としても作用しています。

 

また、免疫機構が働くときに生じる活性酸素などの有害な副産物を抑える作用も持っています。

しかし、体内での合成量だけでは不十分で、

不足するとこういった反応が円滑に行われず、

様々な機能が低下してしまいます。

ですから、食事などから摂取して不足分を補給する必要があるのです。

 

なぜタウリンが良いのか?

タウリンには“ホメオスタシス”としての働きが多数ありますが、

特に肝臓に対して多くの作用を持っています。

大きく分けると次の3つです。

タウリンの肝臓機能サポート効果

  1. 肝臓で処理された不要物の排出を助ける
  2. 肝細胞の再生を促進させる
  3. 細胞膜を安定化する

それでは1つずつ詳しく見てみましょう。

肝臓で処理された不要物の排出を助ける

肝臓が持つ重要な働きの一つに「不要物を処理すること」があります。

これは、体に有害な重金属や古くなった赤血球などの不要物を肝臓でより分けて、

胆汁中に捨てるというものですが、

タウリンにはこれを助ける酵素を活性化させる働きがあります。

 

これらの不要物には、過剰となったコレステロールも含まれています。

過剰なコレステロールは動脈硬化などの原因となりますが、

タウリンにはこれを胆汁中に排出する作用があるので、

血中コレステロールを下げることもできますよ。

 

また、肝臓に中性脂肪が蓄積した“脂肪肝”にタウリンが作用すると、

この中性脂肪を体外に出してくれるので、

脂肪肝の改善が期待できます。

脂肪肝は肝臓の機能を低下させてしまうので、

タウリンを補給することは肝機能のアップにつながるわけですね。

 

お酒に含まれるアルコールは、私たちにとって有害な物質なので肝臓で分解(解毒)されますが、

これは肝臓に大きな負荷を与えています。

ですが、そこにタウリンがあると、

アルコールの分解に必要な酵素を活性化させ、

分解速度をアップして肝臓の負担を軽くしてくれるのです。

アルコールの分解が早まるので、

タウリンには二日酔いの防止効果もありますよ。

肝細胞の再生を促進させる

肝臓は解毒や代謝など重要な働きをする一方で、

その働きゆえに常にダメージを受けているともいえます。

アルコールの分解などで生じる活性酸素により、

肝細胞などを損傷してしまうからです。

もともと肝臓は再生能力の高い臓器で、70%を取り除いても、

元の大きさまで再生するといわれています。

 

しかし、大量のアルコールや食べ過ぎなどにより、

肝臓の解毒や代謝の負担が大きくなってくると、

ダメージを受けても修復が追い付かなくなってきます。

そして、肝機能が低下し、さらに負担が増すという悪循環に陥ります。

タウリンには、肝細胞が損傷を受けると速やかに再生を促し、

肝機能を正常に戻す働きがあるので、

肝機能の回復に効果があるのです。

細胞膜を安定化する

私たちの細胞には“細胞膜”という2重構造の膜があり、

中の物質(核や細胞質)を守っています。

細胞膜にはコレステロールなどを原料とした脂溶性の部分が多いため、

活性酸素が結合しやすく、壊されやすい性質です。

細胞膜が破壊されるということは、細胞自体が壊れることを意味します。

ですので、活性酸素を取り除くことはとても重要なことです。

 

しかし、肝臓で行われる“解毒”では、

その分解過程において活性酸素を大量に発生させてしまいます。

タウリンは硫黄を含んだ物質なので、強力な抗酸化作用を持っています。

この作用によって活性酸素を分解し、取り除いてくれるのです。

 

同じような働きを持つ物質に“グルタチオン”がありますが、

グルタチオンの抗酸化力を高める作用もあるので、

相乗効果が期待できますね。

 

また、細胞膜は電気を帯びていて、

通常では内側がマイナス、外側がプラスになっていますが、

タウリンには、膜の電気的な安定性を維持する役割もあります。

さらに、私たちの細胞は、例えば筋肉を動かしたり、

肝臓で解毒を行ったりするのにも、

細胞膜を介した物質の出入りが必要です。

タウリンには、細胞に必要な物質がスムーズに出入りできるようにする働きもあるのです。

こういった細胞膜に関するタウリンの作用によって、

代謝や解毒などが円滑に行われるようになり、

肝臓の負担を軽減することにつながっている、とうわけですね。

 

タウリンを含む食品と摂り方

肝機能の改善やサポートに効果が確認されているタウリン。

私たちの体内でも合成されますが、

食品からも摂取して、不足分を補いたいですね。

ここでは、タウリンを豊富に含む食材と、

その効果的な摂り方について説明しましょう。

タウリンを含む食品

肝臓に効果があるタウリンですが、

アミノ酸のようにたんぱく質を構成する物質ではないため、

体内での有用性が認知されたのは、実は、そんなに昔のことではありません。

また、栄養素にも分類されないため、

文部科学省の日本食品標準成分表などに掲載されておらず、

検査機関によってばらつきが大きい状態にあります。

そんなタウリンですが、多く含む食材を含有量の一例とともに紹介しましょう。

表1 タウリンを多く含む食材の含有量(食品100g中)
食材タウリン(㎎)
真ダコ900~1670
サザエ1500
カキ70~1180
ホタテ670~1000
カツオ160~830
ミル貝730
やりいか700
ブリ180~670
はまぐり550
あさり210~420
スルメイカ360
真アジ230
車海老210
大正海老215
サンマ180
イワシ170
サバ170

 

タウリンは植物には含まれておらず、

軟体動物、特にカキなどの貝類やタコ・イカに多く含まれています。

スルメの表面に付いている白い粉はタウリンが凝縮されたものです。

そのほか、エビ、イワシ・サンマ・ブリ・アジなどの血合いなどにも多く含まれています。

疲労回復を含め肝機能のサポートに役立つ食材として、

ぜひ、積極的に利用していきましょう。

効果的な摂り方と注意

日常的な食生活の場合、タウリンの摂取量は1日あたり100~300mgくらいでしょう。

しかし、肝機能をアップするには、一日500mg以上を摂取することが望ましいとされています。

目安として、カキやホタテなら数個、イカ・タコなら100g弱、

エビ数尾(含有量やサイズに差あり)くらいが良いでしょう。

ただし、タウリンは水に溶ける水溶性の物質です。

煮たり焼いたりしたときに出てくるエキスの中にも溶け出しています。

スープや味噌汁、なべ料理などに使うなら、

塩分を摂りすぎないよう薄味にして、飲み干すのがおすすめですよ。

 

副作用はある?ドリンク剤・サプリメントは大丈夫?

栄養ドリンクの主力成分でもあるタウリン。

肝機能サポートや疲労回復を目的としたサプリメントも売られ、

最近では育児用ミルクにも配合されています。

食品由来だけでなく、添加物として摂取する場合もあるタウリンですが、

摂りすぎによる副作用はあるのでしょうか?

 

まず、一般的な食生活の中で、タウリンを摂りすぎることはありません。

逆に、排出されやすい物質ですので、

3度の食事に分けて適量を摂るように心掛けたいくらいです。

旅先などでホタテやカキ、エビなどを大量に食べても大丈夫です。

ただし、コレステロールなど他の物質を多量に摂りすぎてしまう危険性があります。

毎日でなければ問題ありませんが、ほどほどにしておきましょう。

 

一方で、栄養ドリンクやサプリメントは食品より含有量が高い傾向にありますね。

日頃から愛用している人も多いと思いますが、

毎日摂取したら副作用などはあるのでしょうか?

前項でも触れましたが、タウリンは水に溶ける物質なので、

たくさん摂取しても、

余ったものは汗や尿などと一緒に体外へ排出されてしまうといわれています。

しかし、タウリンは胃酸の分泌を促しますので、

胃が痛みやすい人、胃炎などの人は摂りすぎない方が良いでしょう。

人によっては潰瘍を発生しやすくする可能性があるともいわれています。

 

それでも「タウリンを摂取したい」という方には、

キャベツやブロッコリーと一緒に摂ることをおすすめします。

キャベツやブロッコリーには、潰瘍を予防するビタミンUという物質が含まれています。

水に溶けだしやすい物質なので、

キャベツは生、ブロッコリーは電子レンジで加熱して食べる方が良いでしょう。

特に、ブロッコリーには肝機能をサポートする、

“グルタチオン”や“スルフォラファン”も豊富に含まれているので、

肝機能サポートの助っ人としても最適ですよ。

栄養ドリンクやサプリメントなどには1日の摂取目安量が明記されていますので、

必ずその量を守るようにしましょう。

 

また、他の成分などを確認したり薬を服用中の人は、

医師や薬剤師に相談したりすると安心ですね。

なお、解熱剤や鎮痛剤としてアスピリンを服用している方は、

タウリンの摂取は避けて下さい。

タウリンは、アスピリンの効果を増強してしまう可能性があります。

タウリンを摂取した後に解熱剤や鎮痛剤を使いたいときは、

アスピリン系の薬でないものを選ぶように気を付けましょう。

 

このように、タウリンにはダメージを受けたり弱ったりした肝臓を助け、有害物質の排出などが

スムーズに働くようにサポートする役割があります。

肝臓にはたくさんの働きがあるので、

肝機能が低下すると疲労を感じたり、

体の様々な場所に異常を生じたりしますが、

タウリンを摂取することで、

これらの症状の改善に期待ができますよ。

もちろん、バランスの良い食事を心がけ、

肝臓に負担をかけすぎないように過食や飲酒は控えるようにしましょうね。