意外かもしれませんが、日本人はかなりのコーヒー好き。

毎日コーヒーを飲む人は64%もおり、ミネラルウォーターを飲む人の3倍以上に上ります。

そして世界ランキングは、イタリア、ドイツ、フランス、スペインに続き堂々の5位!

なんとアメリカ人より飲んでいるんですね。

この馴染み深いコーヒーが肝臓に良い飲み物だってことを、知っていますか?

ここでは、コーヒーが肝臓に効く理由と、効果的な飲み方、注意事項などを紹介します。

コーヒーは肝臓に良い?

コーヒーというと、あまり体に良くないという印象を持っている人もいるのではないでしょうか?

その理由は、コーヒーに含まれる“カフェイン”。

神経の興奮作用があり刺激物であるために、

「眠れなくなる」「胃への刺激が強い」「血管を収縮させる」といわれています。

こうしたデメリットがある一方で、

カフェインには脂肪の分解を促進するだけでなく

肥満抑制の効果があることも報告されています。

 

そして、2002年にはイギリスで「1日7杯以上のコーヒーを飲む人は、

2杯以内の人に比べて「糖尿病になる確率が5割以下だった」という論文が発表されたのです。

さらに、2009年にはアメリカの肝臓専門誌に、

「1日3杯以上のコーヒーで、肝がんの発生や慢性C型肝炎の進行リスクが半減する」

という論文が掲載されました。

 

肝臓に良い理由

コーヒーの成分で有名なのは“カフェイン”ですが、

実はもう一つ、“クロロゲン酸”という優れた物質が含まれています。

クロロゲン酸とはポリフェノールの一種で、

老化やがんの原因となる過酸化脂質や、

活性酸素の発生を抑える効果がある抗酸化物質です。

この抗酸化作用が肝臓を守り、

肝機能の低下を招く活性酸素などの除去に有効であると考えられています。

 

肝機能の状態を調べるには血液検査を行うのが一般的ですが、

その指標の1つにALT値やγ-GTP値があります。

これらの数値とコーヒーの摂取について、

次のようなデータがあるのです。

  • コーヒーを毎日3杯以上飲むと、高度肝障害(ALT値が60 IU/ℓ 以上)を阻止する効果がある(低度肝障害の改善よりも効果が高い)。
  • 飲酒をしない人では効果がないが、飲酒量が多い人ほどコーヒーを飲んだ時のγ-GTP値の低下率が大きい。

 

飲酒によるアルコールの分解や、栄養素の代謝によって、

肝臓では大量の活性酸素が発生しています。

これがコーヒーによって除去されることで、

肝細胞が傷ついたり破壊されたりするのを防ぎ、

肝機能が低下しないように守ってくれているわけです。

 

興味深いことに、肝機能の数値が悪い人ほど効果が高いということですから、

お酒を飲む機会が多い人は試してみる価値がありますね。

なお、国立がんセンターも「コーヒーを多く飲む人ほど肝がんを予防する」という

データを発表しています。

一方で、コーヒーの摂取量が減ると脂肪肝になる率が高くなるという調査結果も得られており、

コーヒーには脂肪肝を抑制する効果があると考えられています。

 

飲む量とメリット・デメリットの関係

コーヒーに含まれるカフェインは、医薬品の成分としても利用されています。

それだけ効果が強いということですね。

その分、“肝疾患への効果”と“他の疾患への影響” に注意しなければなりません。

 

確かに前項で示したように、

肝疾患の改善とコーヒーの摂取量には因果関係が見られます。

これは世界中の研究機関で報告されていることです。

一方で、冒頭であげたようなデメリットもあります。

代謝能力が小さい子供や、妊娠中の人、心疾患がある人などには、

必ずしもコーヒーを多くとることが健康につながるとは言えないということです。

特に、心臓に疾患を抱えている人は、

カフェインによる血管の収縮作用などが悪影響を及ぼす可能性があります。

 

また現在のところ、食品のリスク評価を行っている内閣府食品安全委員会は、

妊婦のカフェイン摂取についてのリスク評価を実施していませんが、

イギリスやカナダなど海外では健康影響を検討し、

妊婦の摂取目安量を示している国もあります。

妊娠後期に発症しやすい“急性妊娠脂肪肝”もありますので、

コーヒーを利用したいところですが、

WHO(世界保健機関)では1日3~4杯までにすべき、

としています。

 

肝炎が進行した状態にある人の中には、

コーヒーを大量に摂取するとカフェインなどを代謝しきれず、

デメリットの方が現れやすいともいわれています。

こういった両面性を考えると、体に負担なく肝機能の改善に役立てるには、

「コーヒーの摂取量は1日3杯程度が望ましい」という説があります。

個人差もあるので、体調を見ながら加減してくださいね。

服用中の薬に影響する場合もありますので、

医師や薬剤師に相談してみることも必要です。

 

なお、コーヒーには挽いた豆から淹れる“レギュラーコーヒー”と、

レギュラーコーヒーを乾燥・粉末化した“インスタントコーヒー”がありますが、

成分の差はほとんどないといわれています。

コーヒーの濃さには好みがあると思いますが、

商品パッケージに表示されている“適量”を入れるようにすれば効果的です。

忙しい時にはインスタントコーヒーを利用するのもいいですね。

 

注意点

そして、注意しなければならないのは“新鮮なコーヒーを飲むこと”です。

意外と知られていないのですが、

コーヒーの焙煎豆には15~20%の油脂が含まれています。

ドリップしたコーヒーの表面に油が浮いていることに気付いた人もいるかもしれませんね。

油っぽいイメージのポテトチップスの脂質量が35%ですから、

コーヒーの脂質量って結構多いと思いませんか?

 

この油脂は古くなると酸化して、“過酸化脂質”という物質に変化してしまいます。

これはコーヒーの風味を落とすだけでなく、体にとって良くない物質です。

過酸化脂質は肝臓で処理されますが、大量に摂ると負担を与え、

さらに、過酸化脂質によってもたらされる活性酸素によって、

肝臓が傷ついてしまうのです。

コーヒー豆の酸化を防ぐには、ジップロックや密閉容器に入れて、

冷蔵庫で保管することをおすすめします。

冷蔵保存でもおいしく飲めるのは3~4週間といわれています。

それ以上保存したいなら冷凍してしまいましょう。

 

コーヒーと一緒に摂りたい食べ物

昔から肝臓に良いといわれる食品に“しじみ”や“牡蠣”があります。

これらの貝類は脂質が低いわりに高たんぱく質な食材で、

必須アミノ酸やミネラル、ビタミン類をたくさん含んでいます。

豊富に含まれるアミノ酸は傷ついた肝臓を修復する材料となり、

肝機能の回復に役立ちますし、

亜鉛(特に牡蠣に多い)などのミネラルやビタミン類は、

肝臓で行われる代謝や解毒などを

促進する酵素を活性化させるのに不可欠なものです。

 

また、しじみや牡蠣に含まれるタウリンは胆汁の分泌を促進するので、

肝臓の解毒作用を助ける物質として、肝機能をサポートしてくれます。

これらを一度に供給できるしじみや牡蠣は、

肝臓の働きを助けてくれる優秀な食材なのです。

 

しかし、すでに肝臓に疾患を抱えている人にとっては、逆に害となります。

特にC型肝炎や肝硬変を患っている人は、避けた方がいいでしょう。

その理由は、しじみや牡蠣に多く含まれる“鉄”にあります。

鉄は非常に酸化されやすい(サビやすい)物質で、

有害な活性酸素を大量に発生させます。

鉄はもともと肝臓に集まりやすいミネラルですが、

C型肝炎ウイルスはさらに鉄を貯め込むように作用するのです。

それにより増加した活性酸素によって肝細胞が壊され、

肝疾患によって低下している肝機能が

ますます低下する事態となってしまうのです。

 

これを防いでくれるのが、コーヒーです。

コーヒーに含まれるタンニンには、

肝疾患がある人にとって有害な鉄を吸収しにくくする作用があるのです。

しじみや牡蠣などを食べるときにコーヒーを飲めば、

不要な鉄の吸収を抑え、

肝機能を助けるアミノ酸やタウリンなどは供給することができますね。

この方法は、肝疾患のある人が鉄を多く含む他の食品を食べるときにも利用できます。

肉やレバー、赤身の魚などを食べるときにも、ぜひ応用してください。

肝臓改善ならサプリメントもおすすめ!

コーヒーには肝臓への一定の効果があるものの、

摂取の際新鮮なコーヒーが必要などなかなか日常では取り入れにくいものです。

もし肝臓への数値が心配、最近お酒に弱くなった、倦怠感が残るなど、

肝臓の問題をなるべく早く解決したいなら、肝臓サプリメントがおすすめです。

 

しじみや牡蠣など肝臓への効果が期待される栄養素が凝縮されており、

食事で摂取するよりも明らかに効率的に肝機能改善をおこなうことができます。